創業150周年を迎えて

精好堂は明治3年(1870)に土佐藩高知本町で篆刻印(テンコクイン)の制作販売を行う「篆刻業」として創業しました。
篆刻印と言うのは、石に「篆書」という非常に古い書体を「印刀」と言う専用のナイフを用いて彫刻した判子・印鑑の事です。篆刻印は絵画や書に、作者の署名の代わりに落款(ラッカン)として押されましたから、その印影には作者と作品の風格・品位・美しさが反映されてなければいけません。

当社創立の昭和34年(1959)以前も精好堂として象牙・木材を彫刻する印鑑などを手掛けていましたが、創立時にはゴムを彫刻して氏名印を手掛けるようになっていました。「印章業」時代です。そしてゴム彫刻技術を活かして取り組んだのが、当時使われ始めた段ボールを印刷するためのゴム版彫刻でした。
ここから「段ボール製版業」時代が始まりました。
その後、写真製版技術を取り入れた鋳造版・樹脂版に取組みを経て、DTPとCTPによるデジタル製版を開始し、いろいろな改善・変革を続けてまいりました。
そして、段ボールに止まらずフィルム等軟包装材、プリンテッド・エレクトロニクスを始めとした幅広いフレキソ印刷用製版業へと取組みを拡げております。

さて「精好堂」という号について考えて見ますと、「精」には最も良いもの(精鋭など)や、極めて綿密なこと(精緻など)や、こころと気力(精神など)といった意味が有ります。「好」は文字通りで、好む、愛する事です。「堂」は神仏をまつった建物から転じて、多くの人が集まる建物を指します。
ですから「精好堂」とは精鋭・精緻・精神を愛する気持ちを持つ人々の集う場所である、と謳(ウタ)った号なのだと解釈できます。「精好」の志を以て、絵画や書の作者の気持ちに寄り添い、作品の風格を損じる事無いように、持てる技能と技術を印刀に込めて篆書を石に彫り込んで行く姿勢を表現するために選んだのが「精好堂」という号になったのだという解釈です。

明治3年の創業時から150年後の今日まで、変わる事無くその「精好」の志を掲げ、より良い印刷結果を得るために持てる技能と技術を発揮しようと務めて、当社は多くのお客様とサプライヤー様に恵まれて現在に至る事ができました。

今後ともお客様・サプライヤー様に更に多くの価値提供を行うためにSDGsを経営に組み込み、社会と環境に良い影響を与えられるように、全社一体となって、一層技能と技術を高める挑戦に取組んでまいります。

今後とも一層のご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。